協働するふたつのエリア

コーヒー生産地と協働する会では、ルワンダ南部フイエ郡のギシャンブとルワムウェルというふたつのエリアのコーヒー豆を扱っています。

Gishamvu(ギシャンブ)エリア

フイエ郡南部の鉄器で有名な丘陵地帯。
フイエの中でも幹線道路から離れた田舎に位置しますが、コーヒー生産意欲が高い農家が多い地域です。
農家は小さい畑の中に豆やソルガム(もろこし)を栽培しながら生計を立てており、なかでもコーヒーは貴重な換金作物となっています。

エリア:ギシャンブ
所在地:ギシャンブセクター
標高:1700~1900m
品種:ブルボン亜種
生産者:小規模農家
代表農家:アカベレ協同組合(約25世帯所属)
プロセス:ウォッシュド
風味の特徴:オレンジ、プラム、ザクロ、スウィーティー、スパイス、甘くて複雑な印象

協働農家グループ【Dusangire Akabere(ドゥサンジレ アカベレ)】基本情報
●共同で農園を地方行政から借りてコーヒー栽培を行っている
●25人(27人?)がメンバー(メンバーによって把握している数が変わる)
●全員がコーヒー農家
●所在地:ルワンダ南部県フイエ郡、Gishamvuセクター、Sholiセル、Akabere村
●組合員はAkabere村に住んでいる人が一番多いが他にもSholi内のRebero、Kabeza、Akarubari村に居住
●例年の収量はチェリーで2t
●所有しているコーヒーノキは2200本
●近くの若い木の農園は組合のものではない
●土地を買って畑を増やしたい

組合農家の一年
1~2月:薬の散布、農園の整備
3~5月:実の成熟、収穫
6~9月:マルチング
9~11月:有機・化学肥料の施肥
12月:除草、農園の整備、サッカーを抜く

組合農家の栽培作物など
●豆、とうもろこし、野菜バナナ、スイートポテト、キャッサバ、コメ、トマト、苦ナス、キャベツ、ジャガイモ、里芋、グアバ、アボカド、オレンジ、パパイヤ、蜂蜜、ピーナッツ、マルチの道具になる雑草
●お茶とマンゴーは作っていない。
●自家消費または販売用。
●コメとコーヒー以外は自家の畑で作っている。コメは政府が近隣住民の組合を作り、低地にある政府の土地を使い協働作業で育てている。
●1月と5月が豆の収穫期。豆は乾かしてから叩く、そして豆をさやから取り出す。
5~6月は豆を食べる
7~8月は豆とキャッサバ(タピオカの原料となるイモの一種)
9~11月はキャッサバのウブガリ(キャッサバ粉にお湯を入れて練ったもの)を食べる。
6月から7月は食べ物が沢山ありルワンダ人は嬉しい!

食事
1日3食、ただし朝はお茶だけのことが多い、昼と夜は穀物やバナナビールを一緒に飲むこともある。

家畜
ウシ(持っている人は少ない)、ブタ、ヤギ、羊、鶏
全て食用、ヤギと牛はミルクをとる。
牛が最も多く肥料を生産する。

コーヒー栽培に必要なもの
有機肥料、化学肥料(単体では使わず有機肥料と混ぜる)、マルチの材料、農薬

Rwamweru(ルワムウェル)エリア

フイエ郡の西端に位置する標高1850m前後の山岳地帯。なだらかな傾斜を利用し、手入れがしっかりと行き届きやすい農園地帯を形成しています。
キゴマセクターはルワンダのスペシャルティコーヒー発祥の地マラバと並ぶ高品質コーヒーの生産地。
高品質なコーヒーを求めて、強豪ウォッシングステーションがしのぎを削るスペシャルティコーヒーの超激戦区です。

エリア:ルワムウェル
所在地:キゴマセクター
標高:1680~2000m
品種:ブルボン亜種
生産者:小規模農家
代表農家:エマヌエル氏
風味の特徴:アプリコット、マスカット、ブラックチェリー、ダージリン、クリーンで明るい印象

協働農家グループ【ABUMWUGA BAKAWA(アブムゥガ バカワ)】基本情報
・Huye Mountain Coffee(ウォッシングステーション【注1】以下、HMC)にチェリーを納入している農家グループのひとつ
・HMCのセービンググループのひとつ
・各自小規模ながらコーヒー農園を所有している
・メンバー数:24人
・グループの名前は「To be professional of coffee」という意味のルワンダ語
・代表はMukanegnzi Costasia
・2016年から活動開始
・所在地:ルワンダ南部県フイエ郡、Kigomaセクター、Kabugaセル、Kibingo村【注2】
【注1】ウォッシングステーション:水洗工場、コーヒーチェリーの一次加工施設。
【注2】ルワンダの行政区間:国−州(Province プロヴィンス)−県(District ディストリクト)−セクター(Sector)−セル(Cell)

キゴマセクターの説明
キゴマセクターはフイエ郡の西端に位置し、お隣のニャマガベ郡と接しています。ルワンダ南部の生産地のうちフイエとニャマガベがスペシャルティコーヒーの主要な産地となるため、キゴマセクターはちょうど南部の高品質生産地の中心に位置しています。キゴマセクターで特筆するべき点はフイエの中でも美味しいコーヒーが穫れること。フイエは他の地方と比べても強豪ウォッシングステーションの多いエリアですが、キゴマセクターはルワンダのスペシャルティコーヒー発祥の地マラバと並んで超激戦区。キゴマからコーヒーを買っているウォッシングステーションはフイエマウンテンコーヒー、コアカカ協同組合を筆頭に、日本でも有名なブフコーヒー、フイエ最大の生産量を誇るイビシマウンテンコーヒー、パナマ人のマリオ氏や他にも数軒のウォッシングステーションがしのぎを削っています。高校野球でいうと神奈川県のような感じですね。

キゴマの農家の暮らし
キゴマセクターの農家の暮らしは他の多くのルワンダの地域と共通しています。主要な産業は農業であり、多くの農家がコーヒーだけでなくバナナ、キャッサバ、ソルガムなどさまざまな作物を作って生計を立てています。6月・7月はソルガムの収穫も終わり、ルワンダ農家は食べ物がたくさんある幸せな時期。また食べ物が豊富で、乾季になるため雨が少ないこの時期には、多くの結婚式が執り行われます。
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